年間行事

院内講習「深部静脈血栓の予防講習会」

●弾性ストッキングを履いている患者様の観察

深部静脈血栓は生命に直結する障害であり、特に精神科急性期においては、病状によって引き起こされる昏迷、過緊張状態、薬物による強い鎮静や身体拘束によって、深部静脈血栓を誘発する大きな危険因子であることを常に頭に入れて看護しなければなりません。

今回は弾性ストッキングについての正しい
1、サイズ選び
2、着用方法
3、観察ポイント

について、説明していきたいと思います。

1、サイズ選び

当院では弾性ストッキングの種類が二種類に限られています。 アンシクルプロJ、ハイソックスタイプとストッキングタイプです。

*サイズ選びのポイント
適切な圧迫感と快適なフィット感のために、サイズ選びは重要です。次の手順とサイズを選んでください。身長、足首周径、ふくらはぎ周径、大腿部周径、それぞれのサイズに合わせたものをサイズ表から選んで使用してください。

2、着用方法

簡単な履かせ方
1)補助スリッパを使用して履く方法
2)補助スリッパを使用しないで履く方法
3)ゴム手袋を使用しての方法

→講習後半に実習あり

3、観察ポイント

1)上端が丸まっていないか。
  →これは血行障害や静脈鬱血の原因。
2)シワやよじれができていないか。
  →局所的な圧迫で、水泡の形成、動脈血行障害、静脈還流障害の原因。
3)モニターホールから足が出ていないか、先端がめくれ上がっていないか。
  →痛み、発赤、水泡、浮腫、動脈血行障害の原因。
4)皮膚の色が悪くなっていないか、足に浮腫が生じていないか。
  →チアノーゼ、蒼白、脚の周囲径の左右差、末梢動脈の拍動の減弱も観察する。
5)皮膚の発赤、発疹水泡はできていないか。
   →時には脱がせてみて皮診、かぶれ、水泡の有無を観察する。
6)痛み、しびれ、かゆみなどの訴えはないか。
  →患者様の訴えをよく聞き、その原因を見つける事も重要である。

上記の講習を、ウイルス感染対策に配慮しながら、分散して行いました。

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