泌尿器科[女性の疾患]
(1)OAB
OAB(過活動性膀胱)は、尿意切迫感(突然起こる、我慢できないような強い尿意で、我慢する事が困難)を
必須とする症状症候群であり、通常は頻尿(日中8回以上)と夜間頻尿(夜間1回以上)を伴うものです。
切迫性尿失禁(不随意の尿漏れ)は伴う場合と伴わない場合があります。40歳以上の人の14.1%(1040万人)
であると言われており、有病率は加齢とともに上昇します。原因は脳血管障害、脊髄の障害などの神経因性と、
加齢、骨盤底筋が弱くなるなどの非神経因性がありますが、原因の分からない特発性が一番多いようです。
診断には、症状質問票(過活動膀胱症状スコア:OABSS)を中心に行い、同様の症状を持つ泌尿器科疾患との
鑑別(膀胱癌、尿路感染症など)のために、エコー検査、尿検査、血液検査なども行います。
治療は内服薬治療が一般的で最近では副作用の少ない新しい薬も処方されています。
(2)腹圧性尿失禁
腹圧性尿失禁とは急に腹圧が高くなった時に尿が漏れてしまう状態を言います。
腹圧が急に高くなるのは、咳をする、くしゃみをする、笑う、重いものを持つ、スポーツをする時などです。
原因としは盤底筋が弱くなったり傷んだりするためであり、女性に多く、特に中高年女性(出産が原因になって
いる場合が多い)に頻度の高い病気です。
治療としては、骨盤底筋体操や薬ですが、重症の場合は手術療法が適応になります。
(3)膀胱炎
膀胱炎とは大腸菌などの細菌が膀胱内に侵入し炎症を起こす病気です。
症状としては ①排尿時痛 ②頻尿 ③残尿 が主な症状であり、血尿、尿失禁などを認める場合もあり、
尿検査でほとんど診断出来ます。
治療は抗生剤の内服でほとんどが治療できます。