看護研修「褥瘡セミナー栃木県」
主催 在宅医療委員会栃木県、日本褥瘡学会栃木県支部
日時 令和元年11月30日
場所 自治医科大学附属病院教育研究棟
参加者 (3東、3西、4東、外来病棟)
宇賀神師長、黒崎、神山、小堀、前野、阿久津、小島
◎看護研究発表
1席 「心理教育による病識の変化」-病棟パンフレットを活用して(岡本台病院)
2席 「隔離開放時間の拡大に向けて」-無為自閉患者へのアプローチ例(西ケ丘病院)
3席 「長期入院患者への地域移行の第一歩」(岡本台病院)
4席 「認知症高齢者の行動変容」ー精油による睡眠の改善について(佐藤病院)
5席 「インシデントレポートから見た精神科救急病棟における暴力の現状と課題」(岡本台病院)
○研修内容「褥瘡発生とアセスメント」
講師 佐野厚生総合病院皮膚科 田村政昭先生
外力、骨、血流低下、3つのキーワードをもとに、リスクアセスメント、DESIGN-Rについて学ぶが、発生要因、介護力の不足も社会問題となっており、発生要因の有無や状態を知り改善に努める事が、大切であると学んだ。
「褥瘡予防と体圧分散寝具の選び方」
講師 THCOうつのみや病院 看護副部長 小川陽子先生
褥瘡予防の基本は生活支援を合目的的に行なう事であり、(1)褥瘡発生リスクのアセスメント。(2)圧迫、ズレ力の除去。(3)スキンケア。(4)栄養管理。(5)適切な体圧分散寝具を選択する事で、行ってはいけないケアを理解する。患者家族、介護者、他職種の連携が大切である。
「褥瘡予防の為のポジショニングの二つ」
講師 那須中央病院 理学療法士 富田早基先生
正しい介助を行うには圧迫力、ズレ力を軽減することで、拘縮予防、褥瘡予防に繋がる事。関節を動かし血流改善を図る事。正しいポジショニングで筋緊張をほぐすことの大切さを、又、移乗の際は後の姿勢を予測考慮し、位置変換する事の大切さを学んだ。
○感想と課題(宇賀神師長)
今回の研修では、出来てしまった褥瘡をどう改善させるかではなく、予防にポイントが置かれた研修であった。普段の関わりの中で、患者様を知り、ただ漫然とアセスメントツールやDESIGH-Rをつけるのではなく、目的を持って生活援助をすること。個体的要因、環境ケア要因からくる褥瘡の予測をし、有害な事が行われないようにする事。また、正しい介助が継続して行われることが、褥瘡を作らないために大切だと感じた。
当院からは8名の参加であったが、難しい話は無く、楽しい研修であった。スキンケアであったり適切な時期に適切な対応と寝具を使うこと。ものぐさせず、先読みした正しい移乗やポジショニング、してはいけないことを知る。自分自身は勿論だが、参加したメンバーを中心に、意識の改善(合目的的にかかわる)を図り、看護、介護者の底上げをしてゆき、褥瘡ゼロを目指したいと思います。又、分散マットについては、どんどん機能が変わっているため現在使用している物が故障している時にはレンタルも一つの方法だと思いました。