研修報告「医療現場におけるハラスメント」
●研修報告
日 時 令和元年11月9日
場 所 とちぎ健康の森
参加者 (3階西病棟)山口、(3階東病棟)小林
●テーマ「医療現場におけるハラスメント」
講師 公益社団法人 栃木県看護協会 常任理事 渡邉芳江
ハラスメントとは、他者に対する発言、行動等が本人の意志に関係なく、相手を不快にさせたり尊厳を傷つけたり不利益を与えたり、脅威を与えること。
ハラスメントには、パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、マタニティーハラスメント、モラルハラスメントなど。それぞれに共通しているのは、言葉や行動によるいやがらせ行為であるという事。最近カスタマーハラスメントも注目されている。
○ハラスメントがもたらす影響
生産性の低下、人材の流出、人格を傷つけられることで仕事への意欲や自信を喪失、メンタル面に及ぼす悪影響が大きく、精神疾患を引き起こす原因にもなる。
○ハラスメントに関連する法規制
男女雇用機会均等法。育児介護休業法。パワーハラスメント対策の義務化。
○医療現場の労働環境
ストレスフルな労働環境。ミスが許されない。高度な肉体労働勝頭脳労働であること。緊急性。切迫性の高い場面があること。対人関係によるストレス。忙しさによるストレス。組織統治されていない専門化集団であること。
ハラスメントが発生しやすい医療現場。職種間のヒエラルキー構造、狭い人間関係、権威者集団、専門家集団で構成され、個々の自立性が高い。期待や要求水準が高く、厳しい見方をされがち。患者の言動に常に受容的な態度で接する現場のモラル。
○ハラスメント対策
1、ハラスメントに対するトップの明確なメッセージ
2、ハラスメントを抑制するモラルをルール化する
3、実態を把握する
4、教育
5、周知
ハラスメント事例に関しての相談や解決の場を提供する。相談窓口を設置する。守秘義務やプライバシーの保護を明確にする。外部の相談窓口の利用も提案。再発防止の為の取り組み。相談者への敏速な対処と早期解決が再発防止に繋がる。解決後も対応策の見直しや改善を継続的に行う。
ヘルシーワークプレイス(健康で安全な職場)の実現。全ての人々が互いの人権を尊重し合う職場。相互尊重コミュニケーション。ハラスメント予防のためのコミュニケーション。相手に関心を持ってよく聞く。充分なコミュニケーションを常態化すること。
●感想と課題(山口)
どの職場にもハラスメントは存在する。知らぬ間に他者を傷つけている可能性があり、自分が被害者にもなりうるということを念願において働くべきである。接遇とは誤解されないための防御技術であり、悪意はなくとも他者から見ると雑、横柄などの印象を持たせてしまうことがあり、多忙な時ほど注意が必要と知る。常に職場に起こりうる恐れがあるので、自分の言動に気をつけて良好な職場を目指したい。スタッフ、家族、患者間だけでなく、スタッフ同士の対応もよく見られている。常に聞く姿勢を大事にし、言葉の投げ捨てに注意したい。
●感想と課題(小林)
ハラスメントについて知識を深めることで、自己認識を高め、加害者、被害者のどちらになることもなく看護職を行なっていきたいと考えることができた。対応技術では実践的な知識を得たことで、今後業務の中にも有効的に取り入れたいと考えた。何気なく話していること、行なっていることは、時に誤解やトラブルにも繋がると深く考えた。円滑、かつ効率的い業務を行うため、研修で得た知識を実践していく必要がある。