年間行事

第一回「感染管理研修会」

●主催

栃木地域観戦制御コンソーティアム(TRICK)
日本感染管理ベストプラクティス“SAIZEN”研究会
栃木ワーキンググループ

日 時:2018年6月2日(土)10:30~16:30
場 所:済生会宇都宮病院南館2階みやのわホール
参加者:藤原秀行、中山奈生美、吉澤恵一、熊谷雅弘

●研修内容

1.「感染管理の基本」
講師:JCHOうつのみや病院医療安全管理室感染管理認定看護師 舘野洋子先生

講義内容:感染に関する基本的な考え方、感染の定義、要素について講義をうける。入院患者の5~10%が入院中に感染症に罹患(WHO)していること、それを防ぐためには標準予防策が重要であることを学ぶ。MRSAだから、HIVだからということではなく、すべての患者の血液、体液、分泌物、排泄物、健常でない皮膚、粘膜は感染性があるものとして対応することが重要。

2.「おむつ交換手順の見直しと交差感染のリスク対策」
講師:JCHOうつのみや病院 福田陽子先生

講義内容:おむつ交換についての院内看護マニュアルは感染防止対策の視点で作成されていない、部署ごとにローカルルールの存在がある。手袋交換、手指衛生のタイミングが適切でない、使用後におむつをいれた袋を密閉せずに破棄している。といった問題点があり、周囲環境の汚染、交差感染のリスクになるため手順の標準化と教育が必要である。個人別で手順の遵守率をチェックし改善を図ったとのこと。汚染おむつを外した後の手袋を外す、手指衛生をする手順の遵守率が低かったという報告で、当院でも感染委員が定期的に見回りをしてチェックしているが、日常の業務のなかで見直す必要があることは改善していくべきだと感じた。

3.「感染管理ベストプラクティスの考え方」
講師:NPO法人日本感染管理支援協会 土井英史先生

講義内容:感染管理マニュアルは遵守すれば感染率は低減する。しかしながら感染管理マニュアルのすべてを遵守しているか監視することは困難。マニュアルは遵守してこそ意味があるものとなるため実践現場に対応したマニュアルを整えることが重要。例えば「高度接触部位を1回/日清掃する」のような記載がマニュアルにあっても清掃する部位は人や部署によってムラがでる。つまりマニュアルの存在だけでは各領域に合わせた手順書が必要。手順書を作成した場合遵守率の向上が必要で、個人教育、他者評価をしていく。手順は実は守れていないという問題意識を持つことが重要。

4.感染管理ベストプラクティスの作成方法

1)作成テーマ:創部ドレッシング交換
2)現状手順のイラスト貼り付け
3)グループディスカッション:処置別感染対策のポイントの確認。ベストプラクティスとの比較。
4)現状手順のリスクの洗い出し・重要ポイントと解決策の検討

実際に手順を作成してみて各部署、個人ごとに細かい点で違いがでており、今回の研修で学んだことが今後必要であると再認識できた。

(レポート 3西 吉澤恵一)

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