第31回栃木県看護大会について
去る5/13栃木県看護大会に参加して来ました。
当日はあいにくの雨天ではありましたが大勢の看護職、看護学生が足を運び会場は賑わっておりました。
午前中のプログラムは県の看護功労者表彰、看護体験に参加した高校生や看護学生の看護エピソード発表等でした。
高校生、看護学生のエピソードは非常に初々しい体験を語っており、私自身も高校生の時に県の癌センターに看護体験に参加したことを思い出し、学生が語っているような鮮烈な感情を今となっては呼び起こすことも難しくなってはおりますが、それでも尚初心を忘れずに業務に努めなければならないと心情を新たにすることが出来ました。
午後の大会メインプログラムでもある長野県佐久総合病院診療部長である北澤彰浩医師の講演会では非常に貴重な話の数々を伺う事が出来ました。かつて佐久総合病院の診療区域である佐久地方は農村地域であり、基本的に農民は貧しく医師に診療を行ってもらう事を「医者をあげる」(芸者を座敷にあげると同意。非常に贅沢であったという事)と言われたとの事でした。「医者をあげる」のは最早重篤な状態であり救命の見込みが無くなってからであった佐久地方に戦後直後から「農民が来ないのであればこちらから行くしかない」と無償の訪問診療を確立させ、医師看護師自ら劇団を作り健康と疾病に関する分かりやすい演劇で農民達に啓蒙を行ったこと、結果疾病罹患率や早期発見率、平均余命は大きく改善されその意志は現在の佐久総合病院にも受け継がれ「病院祭」に於いても研修医の最初の大きな仕事は演劇の上演であること等のエピソードは個人的に初めて知った事であり、国民皆保険すら無い時代からこのような現代でも中々実践できない先進的制度を実行していた事に深く感銘を得ました。
看護大会を通じて普段得ることができない貴重な体験をさせて頂きありがとうございました。今後の業務の糧とし活かせるように努めたいと思います。
4階西 綾川