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泌尿器科[男性の疾患]

(1)前立腺肥大症

前立腺肥大症は膀胱の下にある前立腺が肥大して、尿道を圧迫し排尿障害を起こす病気です。50歳以上で増え、60歳台では5割以上、70歳台では約7割が罹患していると言われています。
主な症状は、尿の勢いが弱い、排尿に時間がかかる、おなかに力を入れないと尿が出ない、尿が途切れる、残尿感がある、トイレが近い、夜間に何度もトイレに行く、急に尿意がくるなどです。
診断は、問診、質問票(IPSS、QOLスコア)、エコー検査、残尿測定などを行います。また前立腺癌の合併が
ないかどうかを血液検査(血清PSA)などで評価します。
治療はまず薬物治療を行います。近年、非常に有効な新薬が多く開発され、従来手術になっていた患者さんも薬物療法だけでかなり良くなるようになりました。

(2)前立腺癌

前立腺癌は高齢男性に多い病気です。アメリカでは大変多く、男性の癌の中で「罹患数」は第1位、「死亡数」は肺癌に次いで第2位です。日本でも高齢化、食生活の欧米化などから患者数は急増しており、2020年には肺癌についで「罹患数」第2位になると予測されています。
前立腺癌は早期では自覚症状が出にくく、症状を自覚した時にはすでに癌が進行している場合が多いものです。
前立腺癌の早期発見に有効なのは、採血でPSA(前立腺特異抗原)を測定する事で、この値が一定レベルを越えると前立腺癌の可能性があります。そのため50歳を過ぎたら一度PSAの測定をお勧めします。

(3)OAB(過活動性膀胱)

OAB(過活動性膀胱)は、尿意切迫感(突然起こる、我慢できないような強い尿意で、我慢する事が困難)を
必須とする症状症候群であり、通常は頻尿(日中8回以上)と夜間頻尿(夜間1回以上)を伴うものです。切迫性尿失禁(不随意の尿漏れ)は伴う場合と伴わない場合があります。40歳以上の人の14.1%(1,040万人)であると言われており、有病率は加齢とともに上昇します。原因は脳血管障害、脊髄の障害などの神経因性と、前立腺肥大症、加齢、骨盤底筋が弱くなるなどの非神経因性がありますが、原因の分からない特発性が一番多いようです。
診断には、症状質問票(過活動膀胱症状スコア:OABSS)を中心に行い、同様の症状を持つ泌尿器科疾患との鑑別(膀胱癌、前立腺癌、尿路感染症など)のために、エコー検査、尿検査、血液検査なども行います。
治療は内服薬治療が一般的で最近では副作用の少ない新しい薬も処方されています。

(4)STD(性感染症)

性行為によりうつされる疾患を性感染症(sexually transmitted disease:STD)と呼びます。

淋菌感染症

淋菌性尿道炎では、感染後2~7日の潜伏期の後に激烈な排尿時痛と外尿道口から黄色の排膿を認めます。
診断は淋菌を検出する事ですが、その方法としては顕微鏡での淋菌確認、分離培養法、核酸増殖法などが
あります。治療は抗菌薬ですが、近年薬剤耐性淋菌が問題となっております。

クラミジア尿道炎

クラミジア尿道炎では、感染後1~3週間の潜伏期の後に発症するとされています。
症状は淋菌性尿道炎と比較して痛みなどは軽く、尿道からの分泌物も薄く、サラサラしています。診断は核酸増殖法で行われ、治療は抗菌薬です。

(5)ED(勃起障害)

ED(Erectile Dysfunction:日本語訳としては勃起障害または勃起不全)とは、満足な性行為を行うのに十分な
勃起が得られないか、維持できない状態とされています。
EDの原因としては、神経や血管の異常、心因性のものなど様々です。またリスクファクターとして、
加齢、喫煙、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、うつ病、前立腺肥大症、薬剤などがあります。

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